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タクシーコラム

Taxi Column

タクシー運転手になるには?デビューまでの道のりや必要な資格を紹介

2023/08/25

    タクシードライバー

    タクシー運転手のデビューまでの道のり

    タクシー運転手になるにはどんなことが必要なのでしょうか。
    デビューするまでどのくらいかかるのか、どんな資格が必要なのかわからないなどの疑問がある方も多くいらっしゃると思います。
    そこで今回はタクシー運転手としてデビューするまでの道のりを詳しくご紹介します。

    まずは応募から

    タクシー運転手として働くには、まず最初にタクシー会社への応募が必要です。
    応募をすると、面接の日時や場所や持ち物に関する連絡がきます。
    一般的には、履歴書や運転免許証などが持ち物として指定されることが多いです。
    事前に指定されている持ち物を確認し、準備しておくことが大切です。

    タクシー会社によっては、面接前に説明会を受ける機会がある場合や、定期的に会社説明会を開催している場合もあります。
    また、書類選考として事前に履歴書の提出を求められることもあります。

    タクシー会社の多くが、入社前に健康診断を実施しています。タクシー会社から健康診断に関する指示がありますので、指示に沿って健康診断を受けましょう。
    面接と健康診断を受けたら、あとは選考結果が来るのを待ちましょう。

    研修の流れ

    入社してからタクシー運転手としてデビューするまで、おおよそ一ヶ月の研修を受けます。
    タクシー会社によって内容の違いはありますが、一般的には以下の内容で研修を行います。

    ①普通自動車第二種免許の取得
    ②タクシー事業に係る法令、安全及び接遇に関する試験の合格(東京都、神奈川県、大阪府の場合)
    ③接客・法令・機器操作等の研修
    ④教習車を使った実地研修
    ⑤営業所配属後の研修

    それでは、研修の内容について詳しく説明いたします。

    タクシー運転手になるために必須の資格!「二種免許」とは?

    二種免許とは、正式には「第二種運転免許」と言います。
    タクシー運転手になるためには二種免許の取得が必須です。
    タクシーやバスのような、運賃をいただいてお客様を輸送する際に必要な免許になります。
    タクシー会社の指定自動車教習所に入校し、二種免許を取得します。
    二種免許は一種免許同様に、車両総重量、最大積載量、乗車定員などの条件によって免許区分があります。
    タクシー運転手に必要な免許は普通二種免許ですが、中型二種免許や大型二種免許を所有していれば、普通二種免許も兼ねることができるため、タクシー運転手として働くことが可能です。

    二種免許の受験資格

    ①満21歳以上であること※1
    ②一種免許を取得してから3年以上経過していること(停止期間を除く)
    ③視力が片眼で0.5以上、両眼で0.8以上(眼鏡、コンタクト使用可)
    ④深視力検査で誤差が2cm以下であること
    ⑤赤、青、黄色の三色が識別できること
    ⑥10mの距離で9デシベルの警音器の音が聞こえること(補聴器使用可)
    ⑦運転に支障をきたす身体の障害がないこと

    ※1また、2022年5月に施行された改正道路交通法によって、受験資格特例教習を受けることで、19歳以上であり、一種免許を取得してから1年以上経過していれば二種免許を受験することが可能となりました。

    学科試験

    学科試験の問題形式はマークシート式になります。
    文章問題が90問、イラスト問題が5問の全95問になっており、文章問題が1問1点、イラスト問題が1問2点の計100点満点の試験です。
    90点以上で合格となります。
    一種免許の学科試験に比べ応用問題が多く出るという特徴があります。

    技能試験

    技能試験は一種免許と同様、自動車教習所内での場内試験と路上での路上試験があります。
    二種免許はプロドライバーの資格になるため、当然一種免許の技能試験に比べ難しくなっています。
    一種免許は80点以上で合格ですが、二種免許では90点以上で合格です。
    場内試験では、鋭角コースの旋回、縦列駐車、方向転換などが出題されます。
    この中でも鋭角コースの旋回が特に難しいと言われています。

    取得期間や取得費用は?

    二種免許の取得はおおむね7~10日ほどで取得することが可能です。
    合宿で取得するか通いで取得するかで金額は多少前後しますが、18万円から24万円の間が平均的費用です。
    タクシー未経験の方がタクシー会社に乗務員として入社する場合は、タクシー会社が二種免許取得費用を負担してくれる場合がほとんどですが、会社によって一定期間以上勤務しないと返金義務が発生する場合もありますので、面接時などにしっかり確認しましょう。
    自動車教習所に通っている期間も研修費用として日給を支給してくれる会社も多くあります。

    合格率や取得難易度は?

    一種免許の合格率が約70%なのに対して、二種免許の合格率は35~40%前後となっており、あまり高くありません。
    合格率がここまで低いのは、教習所に通わずに試験を受ける『一発試験』を受験される方の「技能試験合格率」が10%以下と、とても低いことが原因として考えられます。
    指定自動車教習所を卒業し、二種免許を取得した方の合格率は90%以上となっているため、教習所で学んだことをしっかり実践できれば、二種免許の取得は決して難しくありません。

    一部地域では「地理試験」が必須!難しい?簡単?

    東京都・神奈川県・大阪府で、タクシー運転手になるためには二種免許の他に地理試験に合格する必要がありました。

    地理試験の合格率は50%と言われており、試験内容はかなり細かい知識が必要とされていましたが、タクシー運転手不足解消対策として令和6年2月29日に廃止が決定しました。現在はタクシー事業にかかる法令、安全及び接遇に関する試験の合格が必要になります。

    神奈川のタクシーセンターでは3日間の講習を受け、最終日に試験を受けることになります。

    タクシー事業にかかる法令、安全及び接遇に関する試験が必要なエリア

    東京都・・・23区、武蔵野市、三鷹市(23区は別名特別区とも言われています)
    神奈川県・・・横浜市、川崎市、横須賀市、三浦市
    大阪府・・・大阪市、池田市、箕面市、茨木市、高槻市、摂津市、島本町、豊中市、吹田市、東大阪市、八尾市、守口市、門真市、堺市、高石市、泉大津市、和泉市、忠岡町

    試験会場

    タクシー事業にかかる法令、安全及び接遇に関する試験の会場は、各県のタクシーセンターとなります。

    ・公益財団法人東京タクシーセンター(東京都江東区南砂7-3-3)
    ・一般財団法人神奈川タクシーセンター(神奈川県横浜市中区日ノ出町二丁目130番地)
    ・公益財団法人大阪タクシーセンター(大阪府大阪市鶴見区鶴見4丁目5番9号)

    試験内容

    タクシー事業にかかる法令、安全及び接遇に関する試験の問題形式は筆記試験となっており、試験内容は三項目に分かれ、「法令」「安全」「接遇」の知識を問うもの出題されます。45問出題され、36問以上(正答率80%)で合格です。
    「法令」は道路運送法・タクシー業務適正化特別措置法・その他関係法令に関することから出題。
    「安全」は当該指定地域における交通事故の発生状況、交通事故の防止及び事故発生時の措置に関する問題。
    「接遇」は乗務員の基本的な心構え及び接遇に関する事項や高齢者・障害者等の乗車、降車等における乗務員の対応に関する問題が出題されます。

    取得期間や取得費用は?

    タクシーセンターでの講習も含め、4日で合格が可能です。
    試験手数料が3,400円かかりますが、費用はタクシー会社が負担してくれるケースが多いです。

    社内研修

    タクシー会社によって研修内容は異なりますが、営業、接客、トラブル対応、支払い機器や無線機器などの使い方を学びます。
    教習車を使った実地研修ではロールプレイング方式で研修を行います。教官や他の新人タクシー運転手をお客様に見立て、乗車から降車までの流れやトラブル時の対応をするなど、より実践的な研修を行います。

    営業所配属後の研修

    営業所に配属され、ついにタクシー運転手になるための最後の研修です。
    タクシー会社によって異なりますが、最初から一人でお客様を乗せる場合もあれば、ベテラン乗務員を助手席に乗せた状態でお客様をお乗せし、ベテラン乗務員からのアドバイスをもらいながら乗務する場合もあります。
    一般的には添乗指導と呼ばれます。
    1〜3日間の添乗指導を行い、一人で乗り始めたらはれてタクシー運転手デビューです。

    タクシー会社の現役人事が語る「タクシー運転手採用」のリアル

    タクシードライバー

    向いている人の特徴や求められるスキル

    タクシー運転手って実は接客業かもしれません。
    なので、飲食店でお仕事の経験がある方や人とお話するのが得意な方はタクシー運転手に向いている人の特徴といえます。
    ですが、お話するのが苦手な方でも、挨拶や経路確認などをしっかりできれば問題ありません。

    タクシー運転手(ドライバー)に向いている人の特徴とは?現役ドライバーにリアルな仕事話も聞いてみた

    採用面接や試験合格のポイント

    身だしなみが整っている方や、話し方が丁寧な方は採用されやすいです。

    タクシー業界の動向・今後の成長性

    新型コロナウイルスの影響で、タクシー業界全体でタクシー運転手が大幅に減少しました。
    新型コロナウイルスが収束し、利用者が戻りつつある中で、2019年に比べてタクシー運転手が減少し、高まる需要に対して供給が追いついていません。

    この他にも、二種免許取得の緩和によってタクシー運転手になるためのハードルが下がったことや、

    「物流の2024年問題」(※2024年4月の法改正によりトラックドライバーの時間外労働時間が制限されることで発生する諸問題の総称)により、トラックドライバーからの職種転向が増えていることも相まって、『タクシー運転手』という職業自体に人気が集まっています。

    タクシー配車アプリが普及し手軽にタクシーが利用できるようになったことで、より稼ぎやすくなったのも、タクシー運転手人気の要因の一つといえるでしょう。

    ※平和交通では、4大タクシー配車アプリである、GO、S-RIDE、Uber、DiDiを導入しています。(羽田営業所)
    また、1年間無料の個室寮や、借上げ社宅も準備しています。

    まとめ

    今回は、タクシー運転手としてデビューするまでの道のりをまとめましたが、いかがだったでしょうか。
    運転免許を持っていればすぐにタクシー運転手として働けると思っていた方も多くいらっしゃったかと思います。
    タクシー運転手はお客様の命を預かる仕事なので、しっかりと研修する必要があります。
    二種免許の取得やタクシー事業にかかる法令、安全及び接遇に関する試験の合格など不安に思う方もいるかと思いますが、タクシー運転手として働いている方全員が取得しているので、不安にならずに前向きに取り組みましょう。

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