軽貨物ドライバーの手取りはどのくらい?働き方や働くための要件、転職体験者に聞いた他ドライバー職との違いなど
2024/12/25

近年、Amazonや楽天をはじめとするインターネット通販(EC)の利用者が増えたことで、軽貨物ドライバーという職業に注目が集まっています。街中の至るところで、荷物を配送する車やドライバーを見かける機会が増えました。そのため、軽貨物ドライバーはどの程度の収入があるのか気になる方も多いでしょう。
そこで今回は、軽貨物ドライバーの手取りはどのくらいなのかをご紹介します。また、働き方や働くための要件、転職体験者に聞いた他ドライバー職との違いなどについても触れます。
軽貨物ドライバーとは
軽貨物ドライバーとは、軽自動車を使用して小型の荷物を運搬する職業です。主に個人宅や企業への配送を担当し、迅速かつ効率的なサービスを提供します。軽貨物ドライバーは、都市部や郊外での配送業務が多く、短距離の移動が中心です。ここでは、軽貨物ドライバーの仕事内容と、注目される背景をご紹介します。
仕事内容
軽貨物ドライバーの主な仕事内容としては、荷物の受け取り、積み込み、配送先への運搬、そして荷物の引き渡しなどが挙げられます。配送ルートの計画や、交通状況に応じたルート変更も重要な業務の一部です。また、荷物の安全な取り扱いや、顧客とのコミュニケーションも欠かせません。ときには、荷物の梱包や開梱作業を行うこともあります。
注目される背景
近年、軽貨物ドライバーの需要が高まっている背景には、ECの普及や、個人宅への配送サービスの増加があります。特に、コロナ禍において非接触型の配送サービスが注目され、軽貨物ドライバーの役割が一層重要視されるようになりました。また、フリーランスとしても働きやすく、柔軟な働き方を求める人々にも人気があります。
軽貨物ドライバーの働き方は3種類

軽貨物ドライバーとしての働き方は、おもに以下の3種類です。
- ・社員
- ・業務委託・フランチャイズ
- ・フリーランス
ここからは、それぞれの働き方について解説します。
1.社員
社員として働く軽貨物ドライバーは、企業に直接雇用される働き方です。安定した給与と福利厚生が提供されるため、収入の安定性が高いのは特徴だといえます。
企業の指示に従って決まったルートや時間帯で配送業務を行うため、スケジュールが比較的固定されており、プライベートの時間を確保しやすいです。ただし、企業の規定やルールに従う必要があるため、自由度は他の働き方に比べて低いかもしれません。
2.業務委託・フランチャイズ
業務委託やフランチャイズとして働く軽貨物ドライバーは、個人事業主として企業と契約を結びます。この働き方の場合、配送業務を請け負うことで報酬を得るため、働いた分だけ収入が増えるのは魅力でしょう。
フランチャイズの場合、特定のブランドや企業の名前を借りて営業するため、信頼性や集客力が高まります。ただし、初期投資やロイヤリティが必要な場合もあり、収入の安定性は社員に比べて低いことがあるため注意しなくてはなりません。
3.フリーランス
フリーランスの軽貨物ドライバーは、完全に独立して仕事を受ける働き方です。自身のペースで仕事を選び、自由にスケジュールを組めるため、非常に柔軟な働き方が可能です。
インターネット上のプラットフォームを利用して単発の仕事を受けることも多く、PickGoなどのサービスが代表的です。ただし、仕事の量や収入が不安定になることがあり、自己管理能力が求められます。
軽貨物ドライバーの手取り

軽貨物ドライバーとして働いた場合、どの程度の収入が得られるのでしょうか。ここでは、軽貨物ドライバーの手取り相場と、働き方の違いによる経費・税金・保険料の考え方について解説します。
手取り相場
軽貨物ドライバーの手取り相場は、地域や所属する委託会社、案件の種類によって異なります。一般的には、月収で約20万円から50万円程度が相場です。特に、大手運送会社からの委託業務であれば、月収30万円から50万円程度が期待できる場合もあるでしょう。
経費・税金・保険料
経費・税金・保険料は働き方によって、考え方が異なります。ここでは、働き方による違いをご紹介します。
社員の場合
社員として働く軽貨物ドライバーは、企業に雇用されるため、経費の多くは企業が負担します。主な経費としては、ガソリン代や車両の維持費などが挙げられますが、これらは企業が負担することが多いです。
税金については、所得税や住民税が給与から天引きされ、社会保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険など)も同様に給与から控除されます。手取り額は額面給与の60%から70%程度が一般的です。
業務委託・フランチャイズの場合
業務委託やフランチャイズとして働く軽貨物ドライバーは、経費を自分で負担する必要があります。主な経費は、ガソリン代、車両の維持費(車検費用や修理費用)、駐車場代などです。フランチャイズの場合は、ロイヤリティや手数料も発生します。
税金については、確定申告を通じて所得税や住民税を納める必要があり、社会保険料(国民健康保険、国民年金)も自分で支払わなくてはなりません。手取り額は売上から経費や税金、保険料を差し引いた金額となります。
フリーランスの場合
フリーランスの軽貨物ドライバーも、個人事業主と同様に経費を自分で負担します。ガソリン代、車両の維持費、駐車場代などが主な経費です。税金については、確定申告を通じて所得税や住民税を納め、社会保険料(国民健康保険、国民年金)も自分で支払います。
軽貨物ドライバーとして働く5つの条件

軽貨物ドライバーとして働くための条件は、以下の5つです。
- ・普通自動車第一種運転免許を取得
- ・軽貨物車両を保有
- ・駐車場の確保
- ・個人事業の開業届を提出
- ・貨物軽自動車運送事業経営届出書を提出
これらの条件を満たすことで、軽貨物ドライバーとしてのキャリアをスタートする準備が整います。以下で、それぞれの内容を解説します。
条件1.普通自動車第一種運転免許を取得
軽貨物ドライバーとして働くためには、まず普通自動車第一種運転免許が必要です。この免許は、一般的な乗用車や軽自動車を運転するためのもので、取得するためには運転免許試験に合格しなくてはなりません。試験は筆記試験と実技試験の両方があり、交通ルールや運転技術に関する知識が求められます。
条件2.軽貨物車両を保有
軽貨物ドライバーとして仕事をするには、軽トラックや軽バンなどの軽貨物車両を所有していることも条件です。これらの車両は、荷物を効率的に運ぶために設計されており、運搬能力や燃費性能が優れています。車両の購入やリースを検討する際には、維持費や保険料も考慮することが大切です。
条件3.駐車場の確保
事業所(自宅でも可)から2km以内に駐車場を確保する必要があります。業務をスムーズに行うために重要な条件です。駐車場が近くにあることで、荷物の積み下ろしや車両のメンテナンスが容易になります。また、駐車場の契約には費用がかかるため、予算に応じた場所を選ぶことも欠かせません。
条件4.個人事業の開業届を提出
軽貨物ドライバーとして個人事業を開始するには、税務署へ「個人事業の開業届」を提出することも必要です。この届出を行うことで、正式に事業主として認められ、税務上の手続きを適切に行えるようになります。開業届の提出は無料で、提出後には節税の観点から、青色申告の申請も検討するとよいでしょう。
条件5.貨物軽自動車運送事業経営届出書を提出
関連機関に「貨物軽自動車運送事業経営届出書」を提出することも、軽貨物ドライバーとして働くための条件です。この届出を行うことで、事業が法令に基づいて運営されることを保証します。届出には、事業計画書や車両の登録証明書などの書類が必要となる場合があるため、事前に必要な書類を確認し、準備を整えておくことが重要です。
お仕事経験者に聞いた軽貨物ドライバーの良かった点・悪かった点
平和交通株式会社には、以前に軽貨物ドライバーとして活躍されていた方も多数在籍しています。当時を振り返っての軽貨物ドライバー職にまつわるリアルな声をいただきましたので、一部紹介します。
※インタビュー協力:T.K 50代男性 | S.G 30代男性 | T.O 50代男性 | Y.O 40代男性
軽貨物ドライバーの良かった点
・普通自動車免許と軽自動車があればよいので、手軽に始められる
・日々決められたルートや地域を周るので、慣れれば働きやすい
・人間関係のストレスが少ない(配送中は基本的に一人で運転するため)
軽貨物ドライバーの悪かった点
・長時間労働になりがちで肉体的に辛い
・依頼状況や季節によって仕事量が変動し、収入が安定しない
・個人事業主扱いなので、費用の持ち出しが多かったり、配送業務以外の雑務が多い
・ルート配送で仕事自体がマンネリ化して、精神的に疲れてしまうことがあった
タクシードライバーへの転職理由
・個人事業主として働いていた当時、病気で働けなくなった瞬間に収入がゼロになってしまい、生活の不安定さや保証がないことへのリスクを痛感した。また、前職は重量物の配送業務が中心で体力的に厳しかったことも体調を崩した一因であったため、生涯この仕事を続けていくことに不安を感じ転職を決意した。
そうした前職での経験から会社員として働くことのありがたみを改めて感じたので、正社員で働けること/福利厚生や保証が充実している点を意識、またドライバー職が好きなこともありタクシードライバーとしての就業を考えるようになりました。
そんな時期にたまたまタクシーに乗車する機会があり、その時のドライバーさんが業務時間を削ってまで話を聞いてくれて背中を押してくれたことに感動し、そのドライバーさんが在籍している平和交通へ転職した
・小さい子供がいるため隔日勤務の働き方が合っていると思った・小さい子供がいるため隔日勤務の働き方が合っていると思った
転職してどうだったか
・ベースの収入がUPした(前職より10万円程)
・自分のペースで仕事ができるようになり、子どもと過ごす時間が増えた
・平和交通は未経験者に優しく、待遇面/福利厚生面ともに充実しているので満足している
・社員を守ってくれる社風で働きがいのある職場だと感じている
・定期点検やその他メンテナンス等は社内の整備士が対応してくれるので安心
・個人事業主のときは相談相手がいないため、時によって不安に感じるときもあったが、タクシードライバーは、運行管理者がいるため気軽に相談ができる
・高収入配達員になるためには1日50件〜100件以上こなしたり、ピークシーズンに稼働を増やす必要があったが、タクシードライバーは、1乗車で高収入を得られるチャンスがある点が魅力的
・業務委託契約では、ガソリン代や車両のメンテナンス費なども自己負担となるため、額面収入が多くてもそれらの経費を引いた手取り額は思いのほか少ないと感じた。一方タクシードライバーは、ほとんどが会社負担のため自己負担が少なくて済んだ。
軽貨物ドライバーとタクシドライバーの比較まとめ
1.保証について
軽貨物ドライバーの自由度(業務委託)は魅力的だが、社会保険等の保証面は会社に所属するタクシードライバーの方が手厚いケースが多いでしょう。
2.売上≒収入について
軽貨物ドライバーは、配達する荷物の量がその日の朝に確定しているため収入に安心感を得られるものの、量が決まっているため稼ぎに天上がある点、決められた時間までに決められた量を配達しなければならない点は考慮が必要です。
一方、タクシードライバーは売上に天上がありません。お客様がどれくらいいるかなど把握できないため売上に不安を感じるという声も過去にはありましたが、現在は自社無線(法人)・アプリ・駅づけ・流しによってそのような不安はほとんどない状況です。
都内・京浜地区に至ってはアプリが鳴り止むことがほとんど無く、平和交通ではノルマも設けていないので心に余裕を持って働くことができます。
3.男女による違い
軽貨物ドライバーは、業務委託であれば1件あたりの報酬が固定されているため男女での収入差は開きにくいですが、その分荷物の積み下ろしなど肉体労働に対して厳しさを感じる方も。
一方、タクシードライバーはライフスタイル重視で昼間の勤務を希望する女性ドライバーが多いことから、男女の年収差が生じるケースも珍しくないです。ただし、勤務時間を限定せず、男性と同様の勤務体系で働いている女性は男性ドライバーと同じくらい稼いでいます。
まとめ
軽貨物ドライバーとは、軽自動車で小型荷物を配送する職業で、ECの普及に伴い需要が増加しています。働き方は社員、業務委託・フランチャイズ、フリーランスの3種類があり、手取り相場は月収20~50万円程度です。
手軽に始められるといったメリットがある一方、多くが個人事業主として経費や税金を自己負担するため、収入が不安定になることがあります。また、長時間労働/肉体労働に辛さを感じる方も。転職を検討される際は、他ドライバー職とも比較し、ご自身のライフスタイルや将来展望に合ったお仕事を選択するようにしましょう。
平和交通は、社員が長く安心して働き続けられるよう、さまざまな取り組みを行っています。タクシードライバーに興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。