バス運転手になるには?仕事内容や必要な条件、やりがい、向いている人の特徴、年収などをタクシー運転手と比較してご紹介
2025/01/17

我々の生活において欠かせないインフラの1つがバスです。そのため、バス運転手になりたいという需要が、常に一定数あります。しかし、バス運転手になるには、具体的にどうすればよいのでしょうか。ここでは、バス運転手になる方法や条件、仕事内容、やりがい、向いている人の特徴、年収などをタクシー運転手と比較してご紹介します。
バス運転手とは

バス運転手とは、公共交通機関としてのバスを運転し、乗客を安全かつ快適に目的地まで運ぶ仕事です。一口にバス運転手と言っても路線バスや観光バス、送迎バスなど、さまざまな種類のバスを運転する役割があります。
バス運転手は、都市部や地方の交通網を支える重要な存在であり、日々多くの人々の移動をサポートしています。そのため運転技術だけでなく、乗客とのコミュニケーション能力や緊急時の対応力も必要です。
仕事内容
バス運転手の仕事内容は多岐にわたります。おもな業務内容は以下のとおりです。
<運行前の準備>
バス運転手は出勤後、アルコールチェックや健康状態の確認、車両点検を行います。例えばエンジンやタイヤのチェック、運賃箱の確認などが含まれます。これらの準備は、運行中の安全を確保するために欠かせない重要なステップです。
<運行中の業務>
バス運転手は、乗客を安全に目的地まで運ぶことが最も重要な仕事です。時刻表に従って運行し、乗客の乗り降りをサポートします。また観光バスの場合は、マイクを使って案内を行うことも多いです。運行中は、交通状況や天候の変化に対応しながら、安全運転を心がけます。
<運行後の業務>
運行終了後、車両の点検や清掃、燃料の補充を行い、運行結果を報告することもバス運転手の仕事です。次の運行に向けた準備を整えます。また、運行中に発生した問題や改善点を報告し、サービスの向上に努めることも必要です。
バス運転手のやりがい
バス運転手という仕事には、以下のようなやりがいがあります。
<乗客との触れ合い>
バス運転手は、乗客から直接「ありがとう」と感謝の言葉をもらうことが多く、これが大きなやりがいとなります。特に、子どもたちや高齢者との触れ合いは心温まる瞬間です。日々の運行を通じて、地域社会とのつながりを感じられるでしょう。
<大きな車を運転する喜び>
大型バスを運転すること自体が好きな人にとっては、バス運転手は毎日が楽しい仕事となります。運転技術を磨き、バスを自在に操ることに誇りを感じられるでしょう。特に、難しい運転技術を習得し、安全に運行できたときの達成感は格別です。
<社会貢献>
バス運転手は、多くの人々の移動を支える仕事のため、社会に貢献している実感を得ることも可能です。特に通勤や通学、観光など、さまざまな場面で人々の生活を支える役割を果たしています。バス運転手としての仕事を通じて、地域社会の一員としての誇りを持てるでしょう。
タクシー運転手の仕事内容とやりがい
タクシー運転手のおもな仕事は、お客様を安全かつ快適に目的地まで送り届けることです。乗客を探して運転する「流し」、タクシー乗り場での「付け待ち」、無線での配車依頼に応じる「無線配車」などの営業形態があります。
タクシー運転手のやりがいは、地理や運転技術が身につくこと、日々の業務を通じて、街の裏道や効率的な運転方法を習得できることなどです。また、さまざまな人との出会いや会話を楽しめること、お客様から感謝の言葉をもらえることも多く、社会に貢献している実感が得られることなどもやりがいといえます。
さらに、努力次第で収入を増やせる点もタクシー運転手のやりがいの1つです。多くのタクシー会社では歩合制を採用しており、自身の頑張りが直接収入に反映されます。自由度の高い働き方も特徴で、勤務形態を選べたり、休憩時間を自分で決められたりするなど、プライベートとの両立がしやすい環境があるのも特徴です。
タクシー運転手の働き方については、以下の記事をご参照ください。
▶関連記事:『気になるタクシードライバーの働き方(隔日勤務編)』
バス運転手になるには

バス運転手になりたい場合、具体的にはどうすればよいのでしょうか。ここでは、バス運転手になる方法と必要な条件をご紹介します。
バス運転手になる方法
バス運転手になるためには、まず普通自動車免許を取得することが必要です。その後、大型二種免許を取得しなくてはなりません。
大型二種免許を取得するためには、普通自動車免許を取得してから3年以上の運転経験が求められます。運転経験は、安全運転の技術を磨くために重要です。大型二種免許を取得する方法としては、教習所に通って必要な講習を受けるか、一発試験を受ける方法があります。
教習所では、実技や学科の講習を受けることで、試験に合格するための知識と技術を身につけることが可能です。一発試験は、直接試験を受けて合格する方法で、短期間で免許を取得したい人に向いています。
バス運転手になるために必要な条件
バス運転手になるためには、大型二種免許の取得や3年以上の運転経験以外にも、以下の条件を満たす必要があります。
<年齢>
21歳以上であることが求められます。運転経験を積むための時間を確保することが理由です。
<視力>
両眼で0.8以上、かつ一眼がそれぞれ0.5以上の視力が必要です。視力が不十分な場合、安全運転に支障をきたす可能性があります。
<深視力>
2.5メートルの距離で平均誤差が2センチメートル以内であることが求められます。深視力は、距離感を正確に把握するために重要です。
<色彩識別能力>
赤色、青色、黄色の識別ができることも必要です。信号や標識の色を正確に識別するために欠かせません。
<聴力>
10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえることが求められます。聴力が不十分だと、周囲の音を聞き逃し、安全運転に支障をきたす可能性があるためです。
タクシー運転手のなりかたと必要な条件
タクシー運転手になるためには、普通自動車第二種運転免許の取得が必須です。この免許を取得するためには、19歳以上かつ運転経験1年以上であることが条件です。
多くのタクシー会社では、未経験者向けに第二種免許取得のサポート制度が設けられています。入社後、会社提携の教習所で合宿形式の講習を受け、約1〜2週間で免許を取得することが可能です。その後、会社での研修を受け、接客マナー、法令知識、車内機器の操作方法などを学びます。
研修期間中も給与が支給されることが多く、最短1か月程度でタクシー運転手としてデビューできます。安全運転技術と接客スキルを磨くことが、良いタクシー運転手になるための重要な要素といえるでしょう。
タクシー運転手になるために必要な免許や資格、スキルの詳細は以下の記事をご参照ください。
▶関連記事:『タクシードライバーになるために必要な免許や資格、スキルとは?試験内容や費用などもご紹介』
バス運転手に向いている人の特徴

バス運転手に向いている人の特徴は、以下のとおりです。
・運転が好き
・接客が好き
・時間を守れる
・安全意識が高い
・忍耐力がある
ここからは、それぞれの内容について解説します。
運転が好き
バス運転手は長時間にわたって運転することが多いため、運転そのものを楽しめる人が向いています。運転が好きであれば、長時間の勤務も苦にならず、常に集中力を保つことが可能です。また、運転技術の向上にも積極的に取り組む姿勢が求められます。
接客が好き
バス運転手は多くの乗客と接する機会があります。親切で丁寧な接客ができる人は、乗客からの信頼を得やすく、快適な乗車体験を提供することが可能です。特に高齢者や子供など、特別な配慮が必要な乗客に対しても、思いやりを持って対応できることが欠かせません。
時間を守れる
バスの運行は厳密な時間管理が必須です。時間通りに運行することで、乗客の信頼を得られます。時間に対する意識が高く、スケジュールを守れる人は、バス運転手としての適性が高いといえるでしょう。
安全意識が高い
バス運転手は乗客の安全を第一に考え、交通ルールを厳守することが求められます。安全運転を心がけることで、事故を未然に防ぎ、乗客に安心感を提供することが可能です。常に周囲の状況に注意を払い、リスクを予測して行動する能力がある人は、バス運転手に適しています。
忍耐力がある
バス運転手には、渋滞や乗客からのご要望など、ストレスの多い状況でも冷静に対応できる忍耐力も必要です。困難な状況に直面しても、感情的にならずに冷静に対処することで、乗客に安心感を与えられるでしょう。また、長時間の勤務にも耐えられる体力と精神力も求められます。
タクシー運転手に向いている人の特徴
タクシー運転手に向いている人の特徴として、以下のようなものが挙げられます。
・運転が好きで、長時間の運転にも耐えられる体力と集中力を持っている人
・接客業の側面もあるため、コミュニケーション能力が高く、人と話すことが好きな人
・自己管理能力が高い人
・時間管理や体調管理が重要なため、自分でスケジュールを立て、効率的に働ける人
・ストレス耐性が高く、忍耐力のある人
・さまざまな状況や客層に対応する必要があるため、冷静さを保ち、臨機応変に対応できる人
・安全運転を徹底できる人
一部バス運転手に向いている人の特徴と重複する部分もありますが、タクシー運転手は自分で仕事のスケジュールを組まなくてはならないため、自己管理が重要なポイントです。
タクシー運転手に向いている人の特徴については、以下の記事をご確認ください。
▶関連記事:『タクシー運転手(ドライバー)に向いている人の特徴とは?現役ドライバーにリアルな仕事話も聞いてみた』
バス運転手の年収相場

バス運転手の年収は、地域や勤務先の規模、経験年数などによって異なりますが、一般的な相場は以下のとおりです。
平均年収
バス運転手の平均年収は453万円程度だといわれています。平均月給は32.6万円、年間賞与は62.5万円程度、新人バス運転手の初任給は19.3万円程度です。
勤務先別の年収
勤務先によっても、バス運転手の年収は異なります。例えば、市営・都営バスの平均年収は440万円〜700万円程度、夜行高速バスの平均年収は450万円程度です。一方、路線バス・観光バスの平均年収は、それぞれ400万円程度が相場といえます。
地域別の年収
都市部のバス運転手のほうが、地方よりも給与が高い傾向にあります。例えば、東京都で勤務するバス運転手の月の手取り額は26〜27万円程度です。
なお、上記はあくまでも相場であるため、詳細な待遇に関しては面談時などに、企業側へ確認することをおすすめします。
バス運転手の年収については、以下の記事もご参照ください。
バス運転手の年収とは?仕事内容や観光バスなど種類による給料の違い、上げるための方法などもご紹介
タクシー運転手の年収相場
タクシー運転手の年収相場は、全国平均で481万円程度です。ただし、地域によって大きな差があり、東京都では585万円、大阪府では486万円と高い水準にある一方、地方では300万円台前後のところも多くあります。
年収の幅は広く、270万円から732万円程度まで分布しているのが特徴です。これは歩合制の賃金体系や、勤務地、経験、スキルなどが要因です。
さらに、都市部では高い乗客需要により安定した収入が見込めるだけでなく、トップクラスのドライバーは年収1,000万円近くを稼ぐケースもあり、努力次第で高収入を得られる可能性があります。
タクシー運転手の平均年収の詳細は、以下の記事をご参照ください。
▶関連記事:『タクシードライバーの平均年収は?給与の仕組みや地域別事情など現役社員が徹底解説!』
バス運転手の需要と将来性

バス運転手として働く場合、現況と今後の見通しが気になるところでしょう。ここでは、バス運転手の需要と将来性について解説します。
バス運転手の需要
バス運転手の需要は、都市部と地方の両方において高いです。都市部では通勤・通学の手段として、地方では公共交通機関が限られているため、バスは重要な移動手段となっています。また、観光地では観光バスの需要も高く、特に外国人観光客の増加に伴い、観光バス運転手の需要も増加傾向です。
バス運転手の将来性
今後、自動運転技術の進展により、バス運転手の仕事に影響を与える可能性があります。自動運転バスの試験運行が各地で行われており、技術の進歩が期待されています。
しかし、完全に自動化されるにはまだ時間がかかると考えられており、人間の監視や緊急対応が必要な場面も多いため、バス運転手の役割は依然として重要です。さらに、高齢化社会において、高齢者の移動手段としてのバスの重要性は増しています。高齢者向けのサービスやバリアフリー対応のバスの導入が進んでおり、これに伴いバス運転手の需要も増加する見込みです。また、観光業の回復に伴い、観光バスの需要も増加することが期待されています。
タクシー運転手の需要と将来性
高齢化社会の進展に伴い、移動手段としてタクシーを必要とする高齢者が増加傾向です。免許返納者の増加も相まって、日常生活での利用が見込まれるでしょう。
また、インバウンド需要の回復により、外国人観光客向けのサービスも拡大している状況です。さらに、キャッシュレス決済の普及も、タクシー利用の利便性向上に寄与しています。
一方で、自動運転技術の進歩やライドシェアの台頭など、業界に変革をもたらす要素も存在します。しかし、完全な自動化までには時間がかかると予想され、当面はドライバーの役割が重要です。
将来的には、運転業務から管理業務へのシフトや、対人サービスの質の向上が求められる可能性があるでしょう。ITスキルやコミュニケーション能力の向上が、タクシー運転手の価値を高める鍵といえます。
まとめ
バス運転手は乗客を安全に目的地まで運ぶ重要な仕事であり、路線バスや観光バスなど、さまざまな種類のバスを運転します。バス運転手になるためには、普通自動車免許の取得後、大型二種免許が必要で、3年以上の運転経験も必要です。また視力や深視力、色彩識別能力などの健康基準も満たす必要があります。さらに運転技術だけでなく、乗客との接客や緊急時の対応力も重要です。
バス運転手のやりがいとしては、乗客からの感謝や、大型車を運転する喜び、社会貢献の実感が挙げられます。年収は平均で453万円ほどですが、地域や勤務先により異なります。
なお、タクシー運転手も同様に運転の仕事として、より柔軟な勤務形態で働く選択肢の1つです。
平和交通は、神奈川県内で最大手のタクシー会社です。横浜市や川崎市を中心に広範囲でサービスを提供しています。未経験者でも安心して始められるよう、充実した研修制度や二種免許取得支援制度が整っているのも特徴です。また、個室社員寮や月給保証制度など、働きやすい環境が整っており、やる気次第で高収入も目指せます。 平和交通では柔軟な勤務形態を選べるため、自分のライフスタイルに合わせた働き方が可能です。興味のある方は、ぜひ平和交通の採用情報ページをご確認ください。